内科か心療内科か——動悸・だるさ・自律神経症状で迷ったときの選び方
監修:長友恭平(精神保健指定医/標榜:精神科・心療内科)なぜ精神科・心療内科の医師が全科を監修しているの?
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動悸がする、体がだるい、胃の調子が悪い、頭が痛い——こうした症状が続いたとき、「内科でいいのか、心療内科のほうがいいのか」と迷うことがあります。同じ身体症状でも、原因によって適切な受診先が変わります。
結論:まずどっち?
| こんなとき | おすすめの初診科 |
|---|---|
| 症状が突然始まった・急に悪化した | 内科(器質的な原因を先に確認) |
| 健康診断で異常値が見つかった | 内科 |
| ストレスや疲労との関係が強いと感じる | 内科 → 心療内科 の順に受診 |
| 内科で検査して「異常なし」と言われたが症状が続く | 心療内科 |
| 気分の落ち込みや強い不安も重なっている | 心療内科または精神科 |
| まず何科かわからない | 内科(かかりつけ医・総合内科)に相談 |
内科でできること
内科では、身体的な原因が隠れていないかを調べることができます。
- 血液検査: 貧血・甲状腺機能異常(バセドウ病・橋本病)・電解質異常・糖尿病など
- 心電図: 不整脈・心疾患の確認
- 血圧・脈拍の測定: 起立性低血圧、頻脈など
- 尿検査・腹部エコー: 内臓疾患の確認
動悸や倦怠感は、甲状腺機能亢進症・貧血・不整脈など身体的な疾患でも生じることがあります。これらを見逃さないために、まず内科を受診して「体に異常がない」ことを確かめることが大切です。
心療内科でできること
心療内科は「心身症」を専門とする診療科です。心身症とは、ストレスや心理的な要因が身体症状として現れる状態を指します。
- 慢性的な倦怠感・頭痛・胃腸の不調がストレスや緊張と関連している場合
- 内科で検査をして異常が見つからなかった身体症状
- 自律神経のバランスが乱れた状態(「自律神経失調症」と説明されることも)
- 職場・家庭のストレスによる体調不良
心療内科では、身体症状の背景にある心理的な要因を探り、生活改善や精神的なサポートを含めた対応が行われます。
症状別の使い分けの目安
動悸がする
まず内科・循環器内科を受診して、不整脈・心疾患がないかを確認するのが基本です。検査で異常がなく、緊張や不安との関連が強い場合は、心療内科への相談も選択肢になります。
→ 関連: 動悸——どの科に行けばいい?
体がだるい・疲れが取れない
貧血・甲状腺機能異常・睡眠障害など、多くの原因が考えられます。まず内科で血液検査を受けることを検討してください。
→ 関連: 倦怠感
頭痛が続く
緊張型頭痛・偏頭痛は内科・神経内科で対応します。ストレスとの関連が強い場合は、心療内科でも相談できます。
→ 関連: 頭痛
胃の不調・吐き気
まず内科・消化器内科で胃炎・潰瘍などの器質的疾患を除外します。検査で異常がなく、ストレスと関連しているようであれば、心療内科への相談も選択肢です。
→ 関連: 吐き気・嘔吐
こんなときはすぐに救急を
以下の症状は緊急を要する可能性があります。内科や心療内科を受診する前に、救急受診(119番・救急外来)を検討してください。
- 突然の激しい動悸・失神
- 胸の締め付けられるような痛み
- 安静時の強い息苦しさ
- 手足の麻痺・ろれつが回らない
- 意識がはっきりしない
「内科で異常なし」と言われたあとの選択肢
内科で検査を受けて「特に異常ありません」と言われても、症状が続くことがあります。そうした場合、心療内科への相談が選択肢のひとつになります。
心療内科と精神科はかなりの部分で対応できる疾患が重なります。気分の落ち込み・強い不安・不眠が前面に出ている場合は、精神科への相談も選択肢として考えられます。
ストレスや不安・抑うつ症状に関する詳しい治療情報は、精神科専門の長友院長の医療ブログでも解説しています。
よくある質問
Q. 「自律神経失調症」と言われましたが、どこを受診すればよいですか?
A. 「自律神経失調症」は特定の病名ではなく、自律神経のバランスが乱れた状態を指す説明的な表現として使われることがあります。まず内科で甲状腺・貧血などの器質的な原因を除外したうえで、症状が続く場合は心療内科への相談を検討するとよいでしょう。
Q. 心療内科は予約が取りにくいのですが、どうすればよいですか?
A. 心療内科・精神科は予約が数週間〜1ヶ月先になることがあります。まずかかりつけの内科に相談し、必要であれば紹介状を書いてもらう方法もあります。緊急性が高い場合は、精神科救急(都道府県に相談窓口があります)への連絡も選択肢のひとつです。
Q. 心療内科と精神科はどう違いますか?
A. 心療内科はストレスなどによる身体症状(心身症)を主に扱い、精神科は精神疾患(うつ病・不安症・統合失調症など)を主に扱います。実際には対応できる疾患がかなり重なっており、どちらを受診するか迷ったときは通いやすい方でよいことが多いです。
→ 詳しくは: 精神科と心療内科——どう使い分けるか
Q. 心療内科・精神科の初診で何を準備すればよいですか?
A. 「いつから・どんな症状が・どのくらい続いているか」を箇条書きでメモしておくと診察がスムーズです。うまく話せるか不安な方は、メモを医師に渡すだけで十分伝わります。現在内服している薬がある場合はお薬手帳も持参してください。最近の生活の変化(仕事・人間関係・睡眠)もわかると、医師が全体像を把握しやすくなります。
まとめ
- まず内科で血液検査・心電図などを受け、器質的な原因を除外するのが基本の流れ
- 検査で異常がなく、ストレスや心理的要因との関連が強い場合は心療内科へ
- 気分の落ち込み・強い不安が前面に出ている場合は心療内科または精神科も選択肢
- 「自律神経失調症」と言われた場合も、最初の受診は内科からでOK
関連ページ
監修:長友恭平(精神保健指定医/標榜:精神科・心療内科) このページの内容は診療ガイドラインや標準的な医学教科書をもとにまとめた一般情報です。個別の症状・状況については、必ず医療機関にご相談ください。
参考にした主な情報源
この記事は、各学会の診療ガイドライン・厚生労働省の公開情報・Minds ガイドラインライブラリ・標準的な医学教科書をもとに、医師監修のうえ作成しています。