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動悸を感じるとき——原因と受診先の選び方

監修:長友恭平(精神保健指定医/標榜:精神科・心療内科)
なぜ精神科・心療内科の医師が全科を監修しているの?

監修医の専門は精神科・心療内科ですが、当サイトは内科・整形外科・耳鼻咽喉科・眼科・皮膚科・小児科・泌尿器科など12診療科を扱います。専門外の領域は各学会の最新ガイドラインに準拠して作成し、判断に迷う記述は記事を保留・修正しています。くわしくは監修方針をご覧ください。

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「胸がドキドキする」「脈が飛ぶ感じがする」「急に心臓が速く打ち始める」——動悸は誰でも一度は経験する症状です。多くは生理的な反応や一過性のものですが、心房細動などの不整脈、甲状腺機能亢進症、貧血、パニック症など治療が必要な病気が隠れていることもあります。「気のせい」と片づける前に、危険なサインがないかを確認し、適切な科を選ぶことが大切です。

すぐに救急受診を考えるサイン

以下に当てはまるときは、当サイトの結果にかかわらず119/救急外来を検討してください。

危険な動悸と、様子を見られる動悸

動悸そのものは健康な人にも起こります。問題は「いつ・どんな状況で・どんな脈で」起こるかです。

様子を見られる可能性が高い動悸(あくまで参考)

ただし「気のせい」と決めつけず、頻度が増える・持続が長くなる場合は受診を検討してください。

早めに医療機関で確認したほうがよい動悸

これらは心房細動・発作性上室頻拍・甲状腺機能亢進症など、治療で改善が期待できる病気のサインのことがあります。

動悸のタイプ別の主な原因

脈が「飛ぶ」「抜ける」感じ

急に「速くなる」「ドキドキ」が始まる

持続的にドキドキする

身体の病気か、心理的なものかを見分けるヒント

「パニック発作だと思っていたら不整脈や甲状腺の病気だった」というケースは珍しくありません。初回はまず身体疾患の除外を優先することが原則です。以下は受診先を考える際の参考になる目安です。

身体の病気(不整脈・甲状腺・貧血など)を疑うポイント

心理的な要因(パニック症・不安症など)を疑うポイント

ただし、これらは目安であり、実際には両方が併存することもあります。自己判断で「心の問題」と決めつけず、最初に身体的な原因を一度は確認してもらうのが安全です。

自分で脈を測る方法

動悸を感じたときに自分で脈を測ると、診察時の情報として役立ちます。

橈骨動脈での測り方

  1. 手のひらを上に向け、手首の親指側に反対の手の人差し指・中指・薬指の3本を軽く当てます。
  2. 強く押しすぎず、軽く触れる程度で脈の拍動を確かめます。
  3. 15秒間カウントして4倍するか、できれば1分間カウントします。

チェックしたい項目

スマートウォッチや家庭用心電計の活用

近年はApple Watch・Fitbit・OMRONなどに心拍記録や簡易心電図機能が搭載され、心房細動を疑う通知が出る機種もあります。診断ツールではなく参考情報として位置づけ、通知が出た場合や記録に不整が見られる場合は、その画面を受診時に提示すると診察の助けになります。

受診の目安となる科

こんな動悸まず相談しやすい科
脈の不整・失神をともなう循環器内科
急に始まる短時間の頻脈の反復循環器内科
スマートウォッチで心房細動の疑いと表示された循環器内科
体重減少・暑がり・手の震えをともなう内科(または内分泌内科)
顔色不良・疲れやすさをともなう内科
健診で貧血を指摘されている内科
不安・パニック様の症状が中心で、身体検査が一通り問題なかった精神科・心療内科

内科 vs 循環器内科 vs 心療内科 の使い分け

「軽症は心療内科、重症は精神科」という分け方は実際の臨床と合いません。動悸の背景にうつ・不安が疑われる場合も、まずは身体疾患を除外したうえで相談するのが望ましい流れです。

よくある質問

Q. スマートウォッチで「心房細動の疑い」と通知が出ました。どうすればいいですか?

A. スマートウォッチの通知は確定診断ではありませんが、循環器内科の受診を検討するきっかけにはなります。通知の出た時間帯と心拍データを保存し、受診時に提示してください。医療機関で12誘導心電図やホルター心電図で確認することが多く、心房細動が確認されれば脳梗塞予防のための治療検討につながります。

Q. コーヒーやエナジードリンクで動悸がします。病気でしょうか?

A. カフェインは交感神経を刺激して心拍を速める作用があり、感受性の強い方では少量でも動悸が起こります。まずはカフェインを減らして変化を見るのが一案です。ただし、カフェイン以外の場面でも頻繁に起こる、止まらない、不整がある場合は、病気が背景に隠れている可能性があるため医療機関で確認してください。

Q. 更年期の動悸は受診したほうがよいですか?

A. 更年期にはホルモン変動でほてり・動悸・発汗などが出ることがあります。一方で、同年代の女性は甲状腺機能亢進症・貧血・不整脈の頻度も上がる時期です。「更年期だから」と決めつけず、一度は内科で甲状腺・採血・心電図を確認すると安心です。婦人科で更年期症状の治療を並行する選択肢もあります。

Q. 治療が必要ない期外収縮もあると聞きました。本当ですか?

A. 期外収縮は健康な人にも一日数十〜数百回起こることがあり、心臓に基礎疾患がなく無症状であれば、必ずしも治療を要しないと考えられています。一方で、回数が非常に多い、失神を伴う、心臓に基礎疾患がある場合は治療検討の対象になります。治療が必要かどうかは個別の検査結果と症状で判断されるため、自己判断ではなく医療機関で評価を受けてください。

Q. 動悸に加えて息切れ・むくみがあります。受診の目安はどれくらいですか?

A. 動悸・息切れ・下肢のむくみが同時にあるときは、慢性心不全・甲状腺機能異常・貧血などが背景にあることがあります。とくに坂道や階段で以前より息切れしやすくなった横になると苦しい夜間に咳や呼吸困難で目が覚めるなどのサインがあれば、早めに循環器内科または内科を受診してください。

受診前のチェックポイント

診察時間は限られています。以下を整理しておくと、医師が原因を絞り込みやすくなります。

自分でできること

検査では、動悸が出ているときに記録できるホルター心電図(24時間〜1週間の連続記録)が原因特定に役立つことが多いです。


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監修:長友恭平(精神保健指定医/標榜:精神科・心療内科)

参考にした主な情報源

この記事は、各学会の診療ガイドライン・厚生労働省の公開情報・Minds ガイドラインライブラリ・標準的な医学教科書をもとに、医師監修のうえ作成しています。

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