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動悸・息切れで内科か循環器内科か迷ったとき——原因によって変わる受診先の選び方

監修:長友恭平(精神保健指定医/標榜:精神科・心療内科)

⚠️ このサイトは診断を行うものではありません。受診先を考えるための参考情報です。気になる症状があるときは医療機関で医師の診察を受けてください。

まず大事なことを先にお伝えします

動悸や息切れは「心臓の問題かもしれない」と感じて受診される方が多いですが、実際には原因がさまざまです。心臓由来のもの、甲状腺の病気、貧血、自律神経の乱れ、精神的なストレス——どれも動悸や息切れとして感じられることがあります。

以下のような症状がある場合は、受診を待たずにすぐに救急対応を検討してください

これらに当てはまらない場合は、落ち着いて受診先を選んで大丈夫です。


内科と循環器内科の役割の違い

内科系(一般内科・かかりつけ)循環器内科
得意なこと動悸の原因のスクリーニング全般、甲状腺・貧血・自律神経由来の評価不整脈の確定診断・治療、心臓の精密検査、心不全・狭心症の管理
主な検査血液検査、心電図(標準12誘導)心電図、ホルター心電図、心エコー、負荷試験
紹介の流れ内科で原因を絞り → 必要に応じて循環器内科へ紹介内科から紹介されてくることが多い

動悸の多くは、最初に一般内科を受診してスクリーニングすることが現実的です。血液検査と心電図で多くの情報が得られます。そこで「精密検査が必要」と判断されれば、循環器内科に紹介してもらえます。


動悸・息切れの主な原因と対応する科

不整脈(心拍の乱れ)→ 循環器内科

「脈が飛ぶ」「急に脈が速くなって止まる」「ドクドクする感じが普段と違う」という場合は、不整脈の可能性があります。

不整脈の中でも日常生活への影響が大きいのは心房細動という不整脈です。脈が不規則になり、脳梗塞を起こすリスクもあるため、「脈が乱れる感じ」が繰り返す場合は早めに受診してください。

ただし「たまに脈が一拍飛ぶ」程度の期外収縮は、健康な人でも起きることがあります。頻繁でなく、ほかの症状が伴わない場合は経過観察になることも多いです。

不整脈は普段の安静時心電図では記録されないことがあり、ホルター心電図(24時間つけて記録する心電図)が診断に役立ちます。これは循環器内科や一部の内科クリニックで受けられます。

甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)→ 内科

「動悸がする、体重が減った、暑がりになった、手が震える」という組み合わせがあれば、甲状腺ホルモンが過剰に出ている可能性があります。これは血液検査で確認できます。

逆に「疲れやすい、体重が増えた、寒がりになった、動悸が遅い」という場合は甲状腺機能が低下している可能性もあります。どちらも内科で診断・治療が可能です。

貧血 → 内科

血液中のヘモグロビンが不足すると、少し動いただけで息切れや動悸が起きやすくなります。月経のある女性では鉄欠乏性貧血が多く、「最近疲れやすい」という訴えと合わせて受診する方も多いです。スクリーニング採血で見つかることが多いですが、原因の精査(鉄・フェリチン・消化管出血の有無など)のために何度か採血を重ねることもあります。

自律神経の乱れ・更年期症状 → 内科・心療内科

強いストレスや睡眠不足、疲労が続いたとき、あるいは更年期に入ったころから動悸が出始める方がいます。心臓の検査で異常が見つからないにもかかわらず動悸が繰り返す場合、自律神経の問題として内科や心療内科で対応することがあります。

パニック発作 → 精神科・心療内科

「突然、理由もなく胸がドキドキして、息ができなくなる感じ、このまま死ぬかもしれないという恐怖」が繰り返す場合は、パニック症(パニック障害)の可能性があります。

パニック発作は心臓病の発作と症状が重なるため、最初は循環器内科や救急を受診する方も多いです。心臓の検査で異常がなく、症状が繰り返す場合は精神科・心療内科への受診を検討してください。


「循環器内科に直接行くべき?」と思ったとき

循環器内科への直接受診が向いているのは、次のような場合です:

これらに当てはまる場合は、最初から循環器内科を受診するのも一つの選択肢です。すでにかかりつけ医がいる場合は、これまでの治療経過や検査結果を共有してもらえるため、まずはかかりつけ医に相談して紹介状を書いてもらう流れが理想的です。


受診前に整理しておくと役立つこと

どちらの科を受診するにしても、次の情報があると診察がスムーズです。

特に「安静時に起きる動悸」「急に始まって急に止まる」「意識が遠くなるような感覚が伴う」という場合は、早めの受診をお勧めします。


こんなときは救急対応を

次のような状態では、平日昼間の外来を待たずに救急受診を検討してください。

不安なときは**#7119(救急安心センター)**に相談するか、119番に電話してください。


よくある質問

Q. 健康診断で「心電図に異常なし」と言われていても動悸が続きます。

A. 健康診断の心電図は静止した状態で数秒間だけ記録するものです。日常生活中にたまに起きる不整脈は、このタイミングでは記録されないことがあります。症状が繰り返す場合は、24時間心電図(ホルター心電図)を受けることを検討してください。

Q. カフェインをやめたら動悸が減りました。これは心臓の病気ではないですか?

A. カフェインが動悸を引き起こすことは珍しくありません。コーヒー・エナジードリンクの摂取量が多い場合は、まず制限してみる価値があります。それで改善すれば問題が小さい可能性が高いですが、繰り返す場合は一度受診して確認するのが安心です。

Q. 妊娠中の動悸はどこに相談すればいい?

A. まず産科・産婦人科の主治医に相談してください。妊娠中は血液量が増えるため動悸が起きやすくなりますが、必要に応じて循環器内科と連携して診てもらえます。


まとめ

「なんとなく動悸がする」という状態が続いている場合でも、一度受診して血液検査と心電図を撮ってもらうことで、多くの場合は方針が定まります。受診を迷っているなら、まずかかりつけ内科に相談してみてください。


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監修:長友恭平(精神保健指定医/標榜:精神科・心療内科) このページの内容は診療ガイドラインや標準的な医学教科書をもとにまとめた一般情報です。