耳鼻科か脳神経内科か——めまいで迷ったときの受診先の選び方
監修:長友恭平(精神保健指定医/標榜:精神科・心療内科)なぜ精神科・心療内科の医師が全科を監修しているの?
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「耳鼻科に行くべきか、脳神経内科に行くべきか」——めまいで悩む人が最も迷いやすい受診先の選択のひとつです。めまいの原因は大きく「耳(内耳)」「脳・神経」「それ以外(貧血・血圧・心臓など)」に分かれます。最初の受診先を間違えると診断が遅れることがあるため、症状の特徴を事前に把握しておくことが役立ちます。
結論:まずどっち?
| こんなとき | おすすめの初診科 |
|---|---|
| グルグル回る感じのめまい(回転性) | 耳鼻咽喉科 |
| 寝返りを打ったときだけ起こるめまい | 耳鼻咽喉科 |
| 耳鳴り・難聴・耳の閉塞感も同時にある | 耳鼻咽喉科 |
| フワフワ・ふらつきが1週間以上続く | 脳神経内科も検討 |
| 手足のしびれ・ろれつが回らないも一緒にある | 脳神経内科または救急 |
| 突然の激しいめまい+ひどい頭痛・嘔吐 | 救急(119番) |
| どちらか迷う / 耳症状がない | 内科またはかかりつけ医に相談 |
耳鼻咽喉科でできること
めまいの原因のうち、最も多いのが内耳(平衡感覚をつかさどる器官)の異常です。耳鼻咽喉科では内耳性のめまいを専門に診ることができます。
耳鼻咽喉科で診断・治療できる代表的なめまい
良性発作性頭位めまい症(BPPV) 頭を動かしたときに起こる短時間(数秒〜1分以内)のグルグルするめまいです。内耳の「耳石」と呼ばれる小さな結晶が三半規管に入り込むことで起こると考えられています。耳鼻咽喉科で行う頭位変換療法( エプリー法など)で改善する場合が多い疾患です。
メニエール病 回転性のめまいが繰り返し起こり、耳鳴り・難聴・耳閉感を伴うことが多いです。内耳のリンパ液の圧力異常が関係すると考えられています。
前庭神経炎 突然の強い回転性めまいが起こり、数日続くことがあります。耳の症状(難聴・耳鳴り)は通常伴わないのが特徴です。
耳鼻咽喉科での主な検査
- 眼振検査(めまい発作時の眼の動きを確認)
- 純音聴力検査(難聴の有無)
- 重心動揺検査(バランス能力の評価)
- 頭位検査(Dix-Hallpike試験など)
脳神経内科でできること
脳や神経系の異常でもめまいは起こります。脳梗塞・脳出血・小脳や脳幹の病変、脳腫瘍などがその例です。脳神経内科では神経学的な診察と、MRI・CT検査による精査が行われます。
脳神経内科での精査が必要なめまいの特徴
- フワフワ・ふらつく感じが数日〜数週間以上続く
- 歩行がおかしい(まっすぐ歩けない・千鳥足)
- 手足のしびれ・脱力が同時にある
- ろれつが回らない・言葉が出にくい
- ものが二重に見える・視野の一部が欠ける
- 耳の症状(難聴・耳鳴り)がなく、神経症状が前面に出る
これらの神経症状を伴うめまいは、内耳よりも脳・神経系の原因を疑う必要があります。
こんなときはすぐに救急を
以下の症状が重なる場合は、耳鼻咽喉科・脳神経内科への予約受診より先に、救急を受診(119番・救急外来)してください。
- 突然の激しいめまい+激しい頭痛(これまでに経験したことのない強さ)
- 手足の片側が動かない・顔の半分が動かない
- ろれつが回らない・言葉が出ない
- ものが二重に見える・視野が欠ける
- 意識が遠のく・気を失った
これらはFAST(脳卒中の早期発見チェック)に準じるサインです。「めまいだから大丈夫」と思い込まず、早めに救急を受診することが重要です。
症状別の使い分けの目安
グルグル回るめまい(回転性)
内耳が原因のことが多く、耳鼻咽喉科での受診が一般的な出発点です。頭を動かすと強くなる場合はBPPVの可能性があります。
→ 関連: めまい——どの科に行けばいい?
フワフワ・ふらつきが続く
耳・脳のどちらも原因となりえます。耳の症状(耳鳴り・難聴)がなく、神経症状があれば脳神経内科への受診を検討してください。
耳鳴り・難聴を伴うめまい
内耳が原因のことが多く、耳鼻咽喉科での受診が一般的です。
→ 関連: 耳の症状——どの科に行けばいい?
よくある質問
Q. 脳神経外科と脳神経内科はどう違いますか?
A. 脳神経内科は薬や非外科的な方法で神経疾患を治療する診療科で、手術は行いません。脳神経外科は手術(開頭術や血管内治療)を専門とする診療科です。めまいの初診には脳神経内科が適しています。MRIで手術が必要な病変が見つかった場合に脳神経外科へ紹介されることがあります。
→ 詳しくは: 脳神経内科か脳神経外科か——頭の症状で受診先を迷ったとき
Q. めまいで内科を受診してもよいですか?
A. かかりつけの内科医に相談するのも選択肢のひとつです。内科医が診察したうえで、耳鼻咽喉科や脳神経内科への紹介状を書いてくれることがあります。貧血・血圧・心臓の問題からくるめまいであれば、内科で対応できる場合もあります。
Q. めまいで立てない場合はどうすればよいですか?
A. 症状が強く一人で移動できない場合は、無理をせず、家族や知人に付き添ってもらうか、状況によっては救急車を呼ぶことを検討してください。突然始まった強いめまいに嘔吐が伴う場合は特に注意が必要です。
Q. BPPVは自然に治りますか?
A. BPPVは数日〜数週間で自然に改善することもありますが、耳鼻咽喉科で行う頭位変換療法(エプリー法など)を受けると早期に改善する場合があります。繰り返す場合や日常生活に支障がある場合は受診を検討してください。
まとめ
- 回転性めまい・耳鳴りを伴うめまい → まず耳鼻咽喉科
- フワフワ感が長く続く・神経症状がある → 脳神経内科も検討
- 激しい頭痛・手足のしびれ・ろれつの回らなさが重なる → 救急受診
関連ページ
監修:長友恭平(精神保健指定医/標榜:精神科・心療内科) このページの内容は診療ガイドラインや標準的な医学教科書をもとにまとめた一般情報です。個別の症状・状況については、必ず医療機関にご相談ください。
参考にした主な情報源
この記事は、各学会の診療ガイドライン・厚生労働省の公開情報・Minds ガイドラインライブラリ・標準的な医学教科書をもとに、医師監修のうえ作成しています。