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めまいで耳鼻科か内科か?「ぐるぐる」と「ふわふわ」で受診先が変わる理由

監修:長友恭平(精神保健指定医/標榜:精神科・心療内科)

⚠️ このサイトは診断を行うものではありません。受診先を考えるための参考情報です。気になる症状があるときは医療機関で医師の診察を受けてください。

結論:めまいの「性質」で受診先をひとつ絞れる

めまいは「どの科に行けばいい?」という相談が非常に多い症状のひとつです。耳鼻科でも診るし、内科でも診る。脳神経内科でも診ることがある。これだけ聞くと迷って当然です。

ただ、めまいの性質を大まかに分けるだけで、かなり受診先を絞ることができます。

めまいのタイプ特徴まず受診すべき科
回転性(ぐるぐる)+難聴・耳鳴り頭を動かすと悪化することが多い耳鼻科
立ちくらみ(すっと暗くなる感じ)立ち上がり時や炎天下で起きやすい内科
ふわふわ・ぼんやりが続く体の揺れる感じ、地に足がつかない感覚内科または耳鼻科
めまい+手足の動かしにくさ・ろれつが回らない突然発症、進行が早い救急(119)

このうち一番大切なのは、最後の「救急を要するサイン」を見逃さないことです。それ以外であれば、焦らずに受診先を選んでいただいて大丈夫です。


耳鼻科が得意なめまい

良性発作性頭位めまい症(BPPV)

耳の中にある「耳石」という小さな結晶が本来あるべき場所からはずれて、リンパ液の流れを乱すことで起こるめまいです。名前は難しいですが、実際には外来で最もよく見るめまいのひとつで、「起き上がったとたんにぐるぐるする」「寝返りをうつと揺れる」という訴えが典型的です。

大きな特徴は、数秒から1分以内に自然におさまることです。長くても数分。その代わり、頭を動かすたびに繰り返す、というパターンが多い。難聴や耳鳴りはほとんど伴いません。

耳鼻科では「エプリー法」と呼ばれる頭位を変える手技で治療できることがあります。薬を使わずにかなり改善するケースも多いので、心当たりがある方は早めに受診してください。

メニエール病

こちらは「回転性めまい+難聴+耳鳴り」の3つがセットで起きるのが特徴です。それぞれの症状が同時に出るわけではなく、「めまいのたびに聴こえ方が悪くなる」「発作と発作の間は比較的普通」という波のある経過をたどります。

発作は数十分から数時間続くことがあり、BPPVより長いのが目安になります。ただし初回は耳鼻科での検査(聴力検査や平衡機能検査)なしには確定できませんので、「回転性のめまい+耳の症状がある」という場合は耳鼻科を受診してください。

突発性難聴に伴うめまい

突発性難聴は難聴が主症状ですが、めまいを伴うことがあります。「朝起きたら片耳だけ聴こえなくなっていた」という経緯が多く、できれば48時間以内に耳鼻科を受診することが望ましいとされています。後から聴力が戻りにくくなる前に、早めの対応が重要です。


内科・脳神経内科が得意なめまい

立ちくらみ(起立性低血圧)

座った状態や横になった状態から急に立ち上がったときに、血圧が瞬間的に下がって「すっと暗くなる感じ」「ふらっとする感じ」が起きるタイプです。これは耳の問題ではなく、血圧調節の問題であることが多く、内科で診てもらうのが向いています。

原因としては脱水、高血圧の薬の効きすぎ、自律神経の乱れ、貧血などが挙げられます。若い方では「低血圧気味でもともとふらつきやすい」という体質的なものもあります。

貧血・甲状腺疾患

めまいとともに「疲れやすい」「動悸がする」「体重が増えた/減った」という症状がある場合は、血液検査や甲状腺の検査が役立つことがあります。これらは内科で調べることができます。

脳梗塞・小脳梗塞(救急を要するサイン)

めまいのなかで、特に注意が必要なのが中枢神経(脳・脳幹・小脳)が原因のものです。

以下の症状があれば、めまい以外の何かが起きている可能性があります:

こういった症状が同時にある場合は、耳鼻科を待っているより先に救急病院を受診してください。脳梗塞は発症から時間が短いほど治療の選択肢が広がります。


「ふわふわ」するめまいはどこへ?

「回転はしないけど、なんとなくふわふわ・ぼんやりとした感じがずっと続く」という訴えは、実は診断がやや難しい領域です。

考えられる原因はいくつかあります。首の筋肉の緊張(頸性めまい)、自律神経の不調、心理的なストレス、メニエール病の一部のタイプなど。このタイプは耳鼻科でも内科でも診てもらえますが、「難聴や耳鳴りがあるかどうか」で受診先を選ぶとよいでしょう。

耳の症状があれば耳鼻科、なければまず内科、という考え方がシンプルで使いやすいと思います。


受診前に整理しておくとよいこと

どちらの科を受診するにしても、次の情報を整理してから受診すると診察がスムーズです。

最後の項目は見落とされやすいですが、血圧の薬や睡眠薬の副作用でめまいが起きていることもありますので、お薬手帳を持参するとよいでしょう。


すぐに救急受診を検討すべきサイン

以下に当てはまる場合は、かかりつけ医の予約を待たずに対応してください。

このような状態は脳梗塞や脳出血の可能性があります。119番に電話するか、近くの救急外来を受診してください。


よくある質問

Q. 耳鼻科に行ってもめまいの原因がわからないことはありますか?

A. あります。耳鼻科での検査で異常がないこともあります。その場合は脳神経内科への紹介になったり、自律神経の問題として内科で経過を見ることになったりします。「異常なし」は「問題なし」ではなく、次の受診先を相談するきっかけだと考えてください。

Q. めまいで神経内科を受診するのはどんなとき?

A. 「中枢性めまい」が疑われるとき、つまり脳や脳幹・小脳の問題が否定できないときです。ただし、いきなり「脳神経内科に行こう」と考えるより、まず内科や耳鼻科を受診し、必要に応じて紹介してもらう流れが実際には多いです。

Q. 耳鼻科でMRIは撮れますか?

A. 耳鼻科によって設備は異なります。脳の画像が必要な場合は内科や脳神経内科、脳神経外科への紹介になることが多いです。


まとめ

「とりあえずかかりつけ内科に行って、必要なら紹介してもらう」という選択は悪くありません。ただし、上記の救急サインがあるときは、かかりつけ医を待たずに救急対応を選んでください。


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監修:長友恭平(精神保健指定医/標榜:精神科・心療内科) このページの内容は診療ガイドラインや標準的な医学教科書をもとにまとめた一般情報です。