婦人科か内科か——更年期の不調で迷ったときの選び方
監修:長友恭平(精神保健指定医/標榜:精神科・心療内科)なぜ精神科・心療内科の医師が全科を監修しているの?
監修医の専門は精神科・心療内科ですが、当サイトは内科・整形外科・耳鼻咽喉科・眼科・皮膚科・小児科・泌尿器科など12診療科を扱います。専門外の領域は各学会の最新ガイドラインに準拠して作成し、判断に迷う記述は記事を保留・修正しています。くわしくは監修方針をご覧ください。
⚠️ このサイトは診断を行うものではありません。受診先を考えるための参考情報です。
40〜50代でほてり・発汗・気分の波・倦怠感などが出てくると、「更年期かな」と思う一方で「ほかの病気では」と不安になる方もいます。更年期症状そのものは婦人科が専門ですが、甲状腺の病気や貧血など内科の病気でも似た症状が出るため、見分けが大切です。受診先の目安を整理します。
結論:まずどっち?
| こんなとき | おすすめの受診先 |
|---|---|
| ほてり・のぼせ・発汗・月経の乱れがある | 婦人科 |
| 更年期の症状を相談し、治療の選択肢を知りたい | 婦人科 |
| 動悸・体重の増減・極端な暑がり/寒がりが目立つ | 内科(甲状腺の確認) |
| 強い倦怠感・立ちくらみ・健診で貧血を指摘 | 内科 |
| 気分の落ち込み・不眠が中心でつらい | 心療内科・精神科 |
| 強い自殺念慮がある | 救急・専門機関にすぐ相談 |
婦人科でできること
婦人科は、女性ホルモンの変化にともなう更年期症状を専門的に扱います。
- 更年期症状(ほてり・発汗・のぼせ・関節痛・不眠・気分の波)の評価
- ホルモン補充療法(HRT)や漢方など、治療の選択肢の相談
- 子宮・卵巣の病気の確認(不正出血や下腹部症状をともなうとき)
月経の乱れや不正出血をともなう場合、女性ホルモンの状態を含めた評価ができるのが婦人科の強みです。更年期の不調全般の相談先として中心になる科です。
内科でできること
内科は、更年期症状とよく似た症状を出す全身の病気を確認できます。
- 甲状腺機能の異常(バセドウ病・橋本病)— 動悸・発汗・体重変化・倦怠感
- 貧血 — 倦怠感・動悸・立ちくらみ
- 高血圧・脂質異常・糖尿病などの生活習慣病
「更年期だと思っていたら甲状腺の病気だった」ということもあるため、動悸や体重の大きな変化、極端な暑がり・寒がりがあるときは、内科で採血などの確認をしておくと安心です。かかりつけの内科があれば、まずそこで相談するのも自然な流れです。
症状の中心でみる使い分けの目安
ほてり・発汗・月経の乱れが中心
→ 婦人科(更年期症状の評価と治療の相談)
動悸・体重変化・暑がり寒がりが目立つ
→ 内科(甲状腺機能などの確認)
強い倦怠感・立ちくらみ・健診で貧血
→ 内科(貧血や全身の病気の確認)
気分の落ち込み・不安・不眠が中心
→ 心療内科・精神科。更年期の時期は気分の不調が出やすく、つらさが強いときは専門の科で相談できます。
心の不調が前面に出ているとき
更年期の時期は、気分の落ち込み・不安・不眠といった心の症状が出やすくなります。これらが生活に支障を与えるほど続く場合は、婦人科だけでなく心療内科・精神科での相談が選択肢になります。気分の落ち込みが2週間以上ほぼ毎日続く、眠れない日が続く、といったときは早めに相談してください。心の不調の治療内容について詳しくは、監修医の医療ブログもご参照ください。
こんなときはすぐに相談を
次のような場合は、当サイトの結果に関係なく早めに受診・相談してください。
- 閉経後に不正出血がある(子宮の病気の確認が必要)
- 安静にしていても強い動悸が続く・急にやせてきた
- 強い気分の落ち込みが続き、消えてしまいたいと感じる(自殺念慮)
特に強い自殺念慮があるときは、ためらわずに救急やいのちの電話などの相談窓口を利用してください。
よくある質問
Q. 更年期かどうかは何科で調べられますか?
A. 更年期症状の評価は婦人科が中心です。月経の状況やホルモンの状態を含めて相談できます。一方、動悸や体重の大きな変化など甲状腺の病気を思わせる症状があるときは、内科での採血もあわせて検討するとよいでしょう。
Q. ほてりと動悸、どちらの科に行けばいいですか?
A. ほてり・のぼせ・発汗が中心で月経の乱れをともなうなら婦人科が適しています。動悸が強い・急にやせた・極端な暑がりといった症状が目立つ場合は、甲状腺機能を確認するため内科をまず受診するのも一つの方法です。両方が気になるときは、通いやすいほうで相談し、必要に応じて紹介してもらえます。
Q. 気分の落ち込みも更年期のせいですか?
A. 更年期の時期はホルモンの変化や生活の変化が重なり、気分の落ち込みや不安が出やすくなります。ただし、つらさが強く2週間以上ほぼ毎日続く場合は、更年期症状として様子を見るだけでなく、心療内科・精神科での相談が役立つことがあります。
Q. 閉経後の出血は様子を見てよいですか?
A. 閉経後の不正出血は、子宮の病気が隠れていないかを確認する必要があるため、様子を見ずに婦人科を受診してください。更年期症状とは別に評価が必要なサインです。
まとめ
- ほてり・発汗・月経の乱れなど更年期症状は婦人科
- 動悸・体重変化・倦怠感が目立つときは内科で甲状腺・貧血の確認
- 気分の落ち込み・不眠が中心なら心療内科・精神科
- 閉経後の不正出血・強い自殺念慮は様子を見ずにすぐ相談
更年期の不調はまず婦人科、似た症状を出す体の病気が気になるときは内科、心の不調が中心なら心療内科・精神科——と使い分けると整理しやすくなります。
関連ページ
監修:長友恭平(精神保健指定医/標榜:精神科・心療内科) このページの内容は診療ガイドラインや標準的な医学教科書をもとにまとめた一般情報です。
参考にした主な情報源
この記事は、各学会の診療ガイドライン・厚生労働省の公開情報・Minds ガイドラインライブラリ・標準的な医学教科書をもとに、医師監修のうえ作成しています。