目の症状——視力低下・充血・痛み・飛蚊症の受診先の選び方
監修:長友恭平(精神保健指定医/標榜:精神科・心療内科)なぜ精神科・心療内科の医師が全科を監修しているの?
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目の症状は、軽い疲れ目から失明につながりうる緊急疾患まで幅広い原因があります。「目が赤い」「見えにくい」「目が痛い」という症状でも、緊急度は原因によって大きく異なります。このページでは、今すぐ眼科・救急に行くべきサインと、ゆっくり受診できる症状の見分け方を整理します。
すぐに受診を考えるサイン(レッドフラグ)
以下のいずれかに当てはまる場合は、眼科(または救急)に今日中に受診してください。放置すると視力回復が困難になる可能性があります。
- 突然の視力低下・視野の一部が欠ける(特に片眼):網膜動脈閉塞・網膜静脈閉塞・網膜剥離の可能性
- 急に光の点が増えた(飛蚊症の急増)+閃光感(光が走る感じ):網膜剥離の前兆の可能性
- 激しい眼痛+霧視(かすんで見える)+吐き気・嘔吐:急性閉塞隅角緑内障(眼圧が急激に上がる緊急状態)
- 眼が赤い+目やに(膿性)+強い異物感・痛み:角膜炎・眼内炎の可能性
- 片眼の視力低下+顔の片側に麻痺・舌がもつれる:脳卒中の可能性(119/救急)
- 目の周囲が赤く腫れて発熱・眼球が押されるような感覚:眼窩蜂窩織炎(眼窩感染)
緊急度の振り分け
🚨 今すぐ(当日中に)眼科受診
- 突然、片眼が見えにくくなった
- 飛蚊症が急に増えた+光が走る感じがある
- 激しい眼痛+霞む+吐き気
🚨 脳卒中疑いは119
- 視力低下・視野欠損+顔の麻痺・しびれ・言葉が出ない
⏰ 数日以内に受診
- 2〜3日で治らない充血・目やに
- コンタクトレンズ使用中の痛み・充血(角膜炎リスク)
- かすみ・ぼやけが数日続いている
- 飛蚊症が急に増えた(光は走らない)
- 40歳以上で眼圧・視野の検診を受けたことがない(緑内障の早期発見)
🏠 経過観察してよい目安
- 疲れ目(長時間のPC使用後のかすみで休めば改善する)
- 乾燥感・しょぼしょぼする感じで市販の人工涙液で楽になる
- 以前から少しある飛蚊症で増えていない(生理的飛蚊症)
症状別の主な原因
充血(白目が赤い)
充血には原因によって複数のタイプがあります。
| タイプ | 見た目 | 主な原因 |
|---|---|---|
| 結膜充血 | 白目全体がまんべんなく赤い | 結膜炎(アレルギー・ウイルス・細菌)・ドライアイ・異物 |
| 毛様充血 | 黒目の周り(角膜輪部)が濃く赤い | 角膜炎・虹彩炎・急性緑内障など(緊急度が高い) |
| 結膜下出血 | 白目の一部が真っ赤(鮮血のように見える) | 血管が破れたもの。多くは自然に吸収(高血圧・血液疾患の有無を確認) |
目やにが膿状(黄色・緑色)・痛みが強い・角膜中心が白くにごる場合は、早急に眼科を受診してください。
アレルギー性結膜炎について:花粉やハウスダストが原因で起こる目のかゆみ・充血は、スギ花粉が多い2〜4月と、秋のイネ科・キク科花粉の季節に多くみられます。目をこすると症状が悪化しやすいため、冷やしたタオルで目元を軽く冷やすことでかゆみを一時的に和らげることができます。繰り返す場合は眼科での抗アレルギー点眼薬の処方が有効です。
視力低下・かすみ
- 徐々に進行する両眼の視力低下:白内障・老視(老眼)が多い。眼科で時間をかけて評価
- 片眼の急な視力低下:網膜動脈閉塞・網膜剥離・視神経疾患など(緊急)
- 糖尿病・高血圧の持病がある:糖尿病網膜症・高血圧性網膜症のリスクがあるため年1回の眼底検査を推奨
- 霧がかかるように見える(霧視)+眼痛:急性緑内障発作(緊急)
飛蚊症(黒い点・糸くずが見える)
飛蚊症は、眼球の硝子体(ゼリー状の物質)が加齢で変化して影が映る「生理的飛蚊症」と、網膜の異常を示す「病的飛蚊症」に分かれます。
- 以前からあり、量が変わらない:生理的飛蚊症(経過観察でよいことが多い)
- 急に増えた・光が走る閃光感(飛蚊症+光視症)をともなう:網膜裂孔・網膜剥離の前兆の可能性。同日中に眼科へ
- 黒いカーテンが降りてくるような視野の欠け:網膜剥離が進行している可能性(緊急)
目の痛み
- 表面のゴロゴロ感:異物・角膜傷・ドライアイ
- 奥から押さえるような痛み:急性緑内障発作・虹彩炎・視神経炎
- 眼周囲の激しい痛み+水ぶくれ:帯状疱疹(眼部帯状疱疹:眼科と皮膚科の連携が必要)
まぶしさ(光が眩しい)
- 白内障:混濁した水晶体で光が散乱し、特に夜間の車のライトがまぶしく感じやすくなる
- ドライアイ:目の表面が乾燥することで光が適切に処理されず、まぶしさを感じる
- 急性緑内障発作:激しい眼痛・頭痛・吐き気とともに急に光が眩しくなる場合は緊急受診が必要
受診する科の目安
| こんな症状 | まず相談しやすい科 |
|---|---|
| 急な視力低下(片眼) | 眼科(当日) |
| 飛蚊症が急増+光が走る | 眼科(当日) |
| 激しい眼痛+霧視+吐き気 | 眼科(当日) |
| 充血+目やに(膿性) | 眼科 |
| コンタクト使用中の痛み・充血 | 眼科(コンタクトを外してすぐ) |
| 糖尿病患者の視力変化 | 眼科(眼底検査) |
| 視力低下+片側顔の麻痺・言語障害 | 119/救急(脳卒中) |
| 疲れ目・ドライアイ | 眼科・かかりつけ医 |
目を守るための日常のポイント
- 40歳を過ぎたら眼圧・眼底検査を定期的に(緑内障・糖尿病網膜症は自覚症状が出にくい)
- コンタクトレンズの適切な使用:装用時間を守る・毎日洗浄・就寝時に外す(1日使い捨ての徹底)
- PC・スマホ作業は1時間に1回・遠くを見て目を休める(近くを見続けると調節筋が疲弊)
- 眩しいときは無理に凝視しない(サングラスの活用:紫外線による白内障リスクを下げる)
- 糖尿病・高血圧の方は眼底検査を年1回:無症状のうちに進む合併症を早期発見
よくある質問
Q. 老眼と白内障の違いは何ですか?
A. 老眼は40代以降に近くを見るピント調節力が低下する生理現象(眼鏡・コンタクトで矯正できる)。白内障は水晶体が濁る疾患で、ぼやけ・まぶしさ・複視が徐々に進みます。進行した白内障は手術(水晶体置換術)で改善します。いずれも眼科で評価が可能です。
Q. 緑内障とはどんな病気ですか?
A. 緑内障は視神経が障害されて視野が徐々に欠けていく病気です。日本人の失明原因の第1位で、40歳以上の約20人に1人が罹患していると言われています。多くは自覚症状がないまま進行するため、定期的な眼圧・眼底・視野検査が重要です。急性閉塞隅角緑内障(急性緑内障発作)のみ激しい眼痛・充血・吐き気をともなう緊急状態です。
Q. ドライアイは治りますか?
A. ドライアイは涙の量・質の問題で目が乾燥し、異物感・充血・かすみが起こる状態です。人工涙液(点眼薬)・涙点プラグ・生活習慣の改善(パソコン画面との距離・加湿)で症状を管理できます。完全に「治る」というより「上手く付き合う」疾患で、眼科での継続的なフォローが有効です。
Q. 目の疲れにビタミン剤は効きますか?
A. 市販の眼疲労改善薬には、ビタミンB群(神経機能補助)・ビタミンB12などが含まれています。疲れ目の補助として使われますが、眼精疲労の根本原因(度数の合っていない眼鏡・ドライアイ・画面距離)を解決することが先決です。点眼薬を使っても改善しない・視力低下を感じる場合は眼科を受診してください。
Q. 子どもが目をかゆそうにこすっています。何科を受診すればよいですか?
A. 子どもの目のかゆみは、花粉やハウスダストによるアレルギー性結膜炎が多くみられます。眼科での受診が基本で、アレルギー検査と抗アレルギー点眼薬の処方を受けられます。皮膚科や小児科でアレルギー全般を診てもらうことも選択肢ですが、目の症状が主体の場合は眼科が専門です。目をこすり続けると「春季カタル」という重症のアレルギー性結膜炎に進行する可能性があるため、早めの受診をおすすめします。
Q. 市販の目薬を使ってよいですか?
A. 軽い疲れ目・乾燥感には市販の人工涙液や疲れ目用点眼薬を使用することができます。アレルギー性結膜炎が疑われる場合は、市販の抗アレルギー点眼薬を短期的に使う選択肢もありますが、症状が強い・繰り返す場合は眼科での処方薬が有効です。感染性の結膜炎(目やにが多い・強い充血)が疑われる場合は、市販品では対応できないため眼科での受診が必要です。
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監修:長友恭平(精神保健指定医/標榜:精神科・心療内科)
参考にした主な情報源
この記事は、各学会の診療ガイドライン・厚生労働省の公開情報・Minds ガイドラインライブラリ・標準的な医学教科書をもとに、医師監修のうえ作成しています。