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椎間板ヘルニアで整形外科か脳神経外科か——脊椎症状の受診先を整理する

監修:長友恭平(精神保健指定医/標榜:精神科・心療内科)
なぜ精神科・心療内科の医師が全科を監修しているの?

監修医の専門は精神科・心療内科ですが、当サイトは内科・整形外科・耳鼻咽喉科・眼科・皮膚科・小児科・泌尿器科など12診療科を扱います。専門外の領域は各学会の最新ガイドラインに準拠して作成し、判断に迷う記述は記事を保留・修正しています。くわしくは監修方針をご覧ください。

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「腰痛や足のしびれがひどい、椎間板ヘルニアと言われた」という場合、整形外科と脳神経外科のどちらに行けばよいか迷う方が多くいます。どちらも脊椎・脊髄の治療を担当できますが、病院によって体制が異なります。症状の性質や治療の段階によった受診先のめやすを整理します。

結論:まずどっち?

こんなときおすすめの初診科
腰痛と片側の脚のしびれ・痛みがある整形外科
首の痛み・腕のしびれ・歩きにくさがある整形外科(または脳神経外科)
保存療法を続けたが改善しない、手術を検討整形外科または脳神経外科(施設による)
片方の手足が急に力が入らなくなった救急・脳神経内科(脳血管疾患を除外)
お尻まわりの感覚が鈍い・尿が出にくい救急/整形外科または脳神経外科(緊急手術適応の可能性)

整形外科でできること

整形外科は脊椎・脊髄・末梢神経を含む「運動器全体」を扱う科で、椎間板ヘルニアはもっとも頻繁に対応する疾患のひとつです。

治療の流れ(整形外科の標準)

  1. レントゲン・MRI による画像診断
  2. 消炎鎮痛薬・神経障害性疼痛薬による薬物療法
  3. 理学療法(リハビリ)・硬膜外ブロック注射
  4. 保存療法で改善しない場合や馬尾症候群など緊急性がある場合に手術を検討
    • 腰椎ヘルニア:LOVE法・MED(内視鏡下椎間板摘出術)・PED(経皮的内視鏡下椎間板摘出術)・コンドリアーゼ髄核内注入
    • 頚椎・腰椎の固定術など

多くの地域病院では脊椎手術を整形外科が担当しているため、椎間板ヘルニアの初診は整形外科を受診するのが一般的です。

脳神経外科でできること

脳神経外科は、脳・脊髄・末梢神経の外科治療を担う科です。脊椎は「脳神経外科の守備範囲」でもあり、大学病院や大規模病院では脊椎専門グループが脊柱管狭窄症・ヘルニアの手術を行っています。

脳神経外科を選ぶことが多い場面

施設によって「脊椎は整形外科が担当」「脊椎は脳神経外科が担当」と役割分担が異なります。かかりつけ医や近隣病院の体制を確認するとスムーズです。

整形外科と脳神経外科の選び方

施設による体制の違い

地域のクリニック・中小病院では「脊椎手術 = 整形外科」という体制が多く、初診は整形外科が適しています。一方、大学病院・総合病院では両科が脊椎を扱う場合もあり、紹介状とともにどちらに行くかが決まることも多いです。

症状で考える目安

症状のパターン目安
腰や首の痛み+手足のしびれ(片側・動作で変化)まず整形外科
両脚に症状があり、歩行障害がある整形外科(もしくは脳神経外科)
脊髄腫瘍・血管病変が疑われると言われた脳神経外科
脳・脊髄双方に症状がある脳神経外科(または脳神経内科→紹介)

脳神経内科(神経内科)との違い

脳神経内科は「神経の病気を内科的に診る科」です。ヘルニアと思っていたが実は別の神経疾患(多発性硬化症・筋萎縮性側索硬化症・末梢神経炎など)の可能性がある場合、脳神経内科での評価が行われることがあります。レントゲン・MRIで骨の問題が主体であれば整形外科・脳神経外科、神経そのものの病気が疑われれば脳神経内科というおおよその役割分担があります。

こんなときはすぐに救急を

次の症状がある場合は緊急性が高く、当サイトの結果に関係なく119または救急外来を検討してください。

馬尾症候群(鞍部知覚低下+排尿障害)は緊急手術の適応となることがあるため、24時間以内に整形外科または脳神経外科の緊急受診が必要です。

よくある質問

Q. ヘルニアと言われたのに整形外科か脳神経外科か指定されませんでした。どちらに行けばいいですか?

A. 多くの地域では、椎間板ヘルニアの初診は整形外科で対応できます。かかりつけの内科や健診医に「整形外科に紹介してください」と相談するか、地域の整形外科を直接受診する流れが標準的です。かかりつけ医が「大病院に紹介する」という場合は、紹介先が整形外科か脳神経外科かは病院の体制によって決まります。

Q. 脳神経外科と脳神経内科はどう違うのですか?

A. 脳神経外科は手術(脳・脊髄・脊椎の外科治療)を行う科、脳神経内科は薬物療法や神経の診察を主体にする内科系の科です。椎間板ヘルニアの手術を行うのは脳神経外科(または整形外科)です。神経の病気かどうかを調べたいときは脳神経内科が入り口になることもあります。

Q. 腰のヘルニアで手術を勧められました。整形外科と脳神経外科、どちらの手術が良いですか?

A. 腰椎椎間板ヘルニアの手術成績は、施設・術者の経験によって異なります。整形外科・脳神経外科どちらが担当しても手術自体の手技は同様のものが使われます。手術を検討する際は「その施設でその術式の経験が豊富か」を確認することが重要です。不安があれば複数の専門医に相談(セカンドオピニオン)することも可能です。

Q. 保存療法をしていますが、いつになったら手術を考えてよいのですか?

A. 一般的に、腰椎椎間板ヘルニアでは6〜12週間の保存療法を試みてからが手術の検討時期とされています。ただし、急速に進行する麻痺・膀胱直腸障害がある場合は早期に手術が必要なことがあります。担当の整形外科医や脳神経外科医と相談しながら判断を進めてください。

まとめ

関連ページ

監修:長友恭平(精神保健指定医/標榜:精神科・心療内科) このページの内容は診療ガイドラインや標準的な医学教科書をもとにまとめた一般情報です。

参考にした主な情報源

この記事は、各学会の診療ガイドライン・厚生労働省の公開情報・Minds ガイドラインライブラリ・標準的な医学教科書をもとに、医師監修のうえ作成しています。