高血圧・コレステロール異常は内科と循環器内科どちらへ?
監修:長友恭平(精神保健指定医/標榜:精神科・心療内科)なぜ精神科・心療内科の医師が全科を監修しているの?
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「健診で血圧が高いと言われた」「コレステロールが高いと指摘された」「内科と循環器内科、どちらに行けばいいの?」——高血圧や脂質異常症は日本人成人の約34%・20%が該当する非常に一般的な疾患ですが、受診先に迷う方も多くいます。
結論:まずどっち?
| こんなとき | おすすめの初診科 |
|---|---|
| 健診で高血圧・高コレステロールを指摘された(初めて) | 内科でOK |
| 動悸・息切れ・むくみなど心臓症状もある | 循環器内科 |
| 心電図・心エコーなど心臓の精密検査を受けたい | 循環器内科 |
| 薬を飲んでも血圧が下がらない(難治性高血圧) | 循環器内科または高血圧専門外来 |
| 狭心症・心筋梗塞・不整脈の既往がある | 循環器内科 |
| 2次性高血圧(若い・急激な高血圧)が疑われる | 循環器内科または内分泌内科 |
内科で対応できるケース
健診後の初診・生活習慣病の管理
一般内科(かかりつけ医)は高血圧・脂質異常症・糖尿病などの生活習慣病管理を専門的に行っています。収縮期血圧が140mmHg以上、または拡張期血圧が90mmHg以上で健診から指摘された場合(高血圧ガイドライン2019年版より)は、まず内科で相談するのが現実的な第一歩です。
内科では以下のことができます:
- 血圧・コレステロール・血糖の定期測定・管理
- 降圧薬(ARB・ACE阻害薬・カルシウム拮抗薬・利尿薬など)の処方
- スタチン系薬剤などの脂質低下薬の処方
- 生活習慣(食事・運動・禁煙・飲酒制限)のアドバイス
複数の生活習慣病を同時に管理したい場合
高血圧と糖尿病・高コレステロールを「まとめて診てもらいたい」という場合は、一般内科が適しています。生活習慣病はそれぞれが互いに影響し合うため(メタボリックシンドローム)、一元管理できるかかりつけ内科は実用的な選択です。
循環器内科が必要なケース
心臓への影響が疑われるとき
高血圧が長期間続くと、心臓に負担がかかり「高血圧性心疾患」(心肥大・心不全)の可能性が出てきます。以下の症状がある場合は循環器内科での評価が適切です:
- 階段を上ると息切れがひどい
- 足首がむくむ
- 横になると苦しい(起座呼吸)
- 夜間に突然息苦しくなる
これらは心不全のサインである可能性があります。
狭心症・心筋梗塞が疑われる症状
高血圧・高コレステロールは動脈硬化を促進し、狭心症・心筋梗塞のリスクを高めます。以下の症状が重なる場合は循環器内科を優先してください:
- 労作時(坂道・階段)に胸が締め付けられる感覚
- 左腕や顎・歯に広がる痛み
- 安静にすれば数分で治まる胸の不快感
- 動悸・不整脈を感じる
難治性高血圧・2次性高血圧の精査
複数の降圧薬を服用しても血圧が下がらない「難治性高血圧」や、30代以下の若い方の高血圧、急激に悪化した高血圧などは「2次性高血圧」(副腎腫瘍・睡眠時無呼吸症候群・腎動脈狭窄など)が原因の可能性があります。こうした場合は循環器内科または高血圧専門外来での精密検査が必要です。
心エコー・ホルター心電図などの精密検査
心臓の形態や機能を評価するための心エコー(超音波検査)、24時間の心電図記録(ホルター心電図)、運動負荷心電図などは循環器内科で行います。一般内科では十二誘導心電図までの対応が多く、詳細な検査は循環器内科への紹介となることが一般的です。
症状で考える受診先のめやす
| 症状・状況 | 考えられる問題 | 受診先 |
|---|---|---|
| 健診で血圧高い・初めて(自覚症状なし) | 高血圧の初期管理 | 内科でOK |
| コレステロールが高い(症状なし) | 脂質異常症の管理 | 内科でOK |
| 動悸がある・脈が乱れる | 不整脈の可能性 | 循環器内科 |
| 労作時の胸の締め付け | 狭心症の可能性 | 循環器内科(早めに) |
| 足のむくみ・息切れ | 心不全の可能性 | 循環器内科 |
| 降圧薬3種類以上でも下がらない | 難治性高血圧・2次性 | 循環器内科 |
| 血圧が180/110以上で頭痛・視野障害 | 高血圧緊急症 | 今すぐ救急へ |
こんなときはすぐに医療機関を
- 収縮期血圧が180mmHg以上で激しい頭痛・意識障害・視野障害がある(高血圧緊急症・脳卒中の可能性)
- 胸痛が20分以上続く(急性心筋梗塞の可能性)
- 突然の激しい背中や腰の痛み(大動脈解離の可能性)
よくある質問
Q. 血圧が高めと言われましたが、まだ薬は不要と言われました。どの科に行けばいいですか?
A. 「高値血圧」(収縮期130〜139mmHg または拡張期80〜89mmHg)や「Ⅰ度高血圧」(140〜159/90〜99mmHg)で、他に合併症がない場合は一般内科でまず相談するので十分です。生活習慣の改善(減塩・体重管理・運動・禁煙)を3〜6か月試みてから薬物療法を検討するのが一般的な流れです。
Q. 高血圧と高コレステロールが両方あります。どちらの科に行けばまとめて診てもらえますか?
A. 一般内科(かかりつけ医)がもっとも効率的です。高血圧・脂質異常症・糖尿病はセットで管理することが多く、内科ではこれらをまとめて担当できます。ただし心臓症状(動悸・息切れ・胸痛)が出ている場合は循環器内科が適切です。
Q. 高血圧の薬はいつまで飲み続けるのですか?
A. 高血圧の原因が生活習慣のみで、改善によって血圧が正常化した場合は減薬できることもあります。ただし多くの場合は長期的な服薬が必要で、自己判断で中止すると脳卒中・心筋梗塞のリスクが上がります。必ず担当医と相談しながら調整してください。
Q. 市販の血圧計で測っていますが、数値が不安定です。病院で測った方が正確ですか?
A. 家庭での血圧測定(家庭血圧)は、診察室での緊張による「白衣高血圧」を除いた実態を把握するために非常に有用で、ガイドラインでも推奨されています。朝起きてトイレの後・服薬前・座って1〜2分安静後に測定するのが基本です。記録を持参して内科や循環器内科で相談することをおすすめします。
まとめ
高血圧・脂質異常症(コレステロール異常)の初診は一般内科で十分です。自覚症状がなく健診で指摘された段階であれば、かかりつけ内科で管理を開始できます。一方、動悸・息切れ・胸の締め付け・むくみなどの心臓症状が伴う場合、薬を使っても血圧が下がらない場合、心エコーや詳細な心臓検査が必要な場合は循環器内科への受診・紹介が適切です。
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監修:長友恭平(精神保健指定医/標榜:精神科・心療内科) このページの内容は診療ガイドラインや標準的な医学教科書をもとにまとめた一般情報です。個人の診断・治療方針については必ず医療機関でご相談ください。
参考にした主な情報源
この記事は、各学会の診療ガイドライン・厚生労働省の公開情報・Minds ガイドラインライブラリ・標準的な医学教科書をもとに、医師監修のうえ作成しています。