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女性の尿もれ・尿失禁は泌尿器科と婦人科どちらに相談する?

監修:長友恭平(精神保健指定医/標榜:精神科・心療内科)
なぜ精神科・心療内科の医師が全科を監修しているの?

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「くしゃみや咳で漏れる」「急にトイレが我慢できない」「産後から尿漏れが続いている」——女性の尿漏れ(尿失禁)は泌尿器科と婦人科のどちらへ行けばよいか迷いやすい問題です。実は両科ともに対応可能な場合が多く、どちらかに迷ったらまず受診してみることが大切です。

結論:まずどっち?

こんなときおすすめの初診科
くしゃみ・咳・運動で漏れる(腹圧性)泌尿器科または婦人科
急に強い尿意が来て漏れる(切迫性)泌尿器科
産後の尿漏れ・骨盤底筋トレーニング婦人科または泌尿器科
子宮脱・膀胱瘤など骨盤臓器脱婦人科(専門科)
尿漏れ+頻尿・残尿感泌尿器科
閉経後に悪化した尿漏れ婦人科または泌尿器科

泌尿器科が担当するケース

過活動膀胱(切迫性尿失禁)

急に強い尿意が来て、トイレまで我慢できずに漏れてしまうのが切迫性尿失禁です。「膀胱が勝手に収縮する」状態で、過活動膀胱(OAB)ともいいます。頻尿・夜間頻尿を伴うことも多く、泌尿器科での薬物療法(抗コリン薬・β3作動薬)が主な治療法です。

尿路感染症

排尿時の痛み・残尿感・頻尿が伴う場合は膀胱炎(尿路感染症)の可能性があります。発熱や腰背部の痛みがあれば腎盂腎炎の疑いもあります。これらは泌尿器科または内科で抗菌薬治療を行います。

原因精査が必要な場合

尿漏れの種類を詳しく調べたい場合や、薬物療法が効かない場合は泌尿器科での専門的な検査(尿流動態検査・膀胱鏡など)が行われます。

婦人科が担当するケース

腹圧性尿失禁と骨盤底筋障害

くしゃみ・咳・笑い・運動時に尿が漏れるのが腹圧性尿失禁です。主な原因は骨盤底筋群の弱化で、出産・加齢・肥満などが関係します。婦人科では骨盤底筋訓練の指導・ペッサリー(リング状の器具)・手術(尿道中部スリング手術 TVT/TOT 法)などの治療を行います。

骨盤臓器脱(子宮脱・膀胱瘤・直腸瘤)

骨盤底の支持組織が弱まり、子宮・膀胱・直腸が膣から出てくる「骨盤臓器脱」では、尿漏れ・排尿困難・排便障害・下腹部の重だるさが起きます。婦人科(ないし泌尿器科の女性骨盤底専門医)での治療が必要です。

産後・更年期の尿漏れ

産後は骨盤底筋が傷みやすく、尿漏れが起きやすい時期です。また閉経後は女性ホルモン(エストロゲン)の低下で尿道粘膜が薄くなり、尿漏れが悪化することがあります。閉経後の尿漏れには婦人科でのホルモン補充療法(局所エストロゲン)が効果的な場合もあります。

会陰部の傷・縫合後の問題

分娩時の会陰切開後の痛みや縫合部の問題、膣の違和感があるときは婦人科での確認が適切です。

症状で考える受診先のめやす

症状考えられる問題受診先
くしゃみ・咳で漏れる腹圧性尿失禁・骨盤底筋弱化婦人科または泌尿器科
急に我慢できず漏れる切迫性尿失禁・過活動膀胱泌尿器科
尿漏れ+頻尿・残尿感膀胱炎・OAB泌尿器科
何かが膣から出てくる感じ骨盤臓器脱婦人科
産後から続く尿漏れ骨盤底筋損傷婦人科または泌尿器科
閉経後に悪化ホルモン低下による萎縮婦人科または泌尿器科
発熱・腰背部痛を伴う腎盂腎炎の疑い泌尿器科・内科(急いで)

こんなときはすぐに医療機関を

よくある質問

Q. 尿漏れを婦人科に相談してもいいですか?

A. はい。腹圧性尿失禁・骨盤底筋の問題・産後の尿漏れ・閉経後の尿漏れは婦人科でも積極的に対応しています。「泌尿器科は行きにくい」と感じる方はまず婦人科に相談することも選択肢の一つです。逆に急な尿意が抑えられない(切迫性)タイプは泌尿器科が向いています。

Q. 骨盤底筋トレーニングは自分でもできますか?

A. 腹圧性尿失禁に対する骨盤底筋訓練(ケーゲル体操)は生活習慣として行うことができますが、正しい筋肉の使い方を習得するためには最初に専門家(婦人科・泌尿器科・理学療法士)の指導を受けることが推奨されています。誤った方法では効果が出にくい場合があります。

Q. 尿漏れの手術はどちらの科で行いますか?

A. 腹圧性尿失禁に対する手術(尿道中部スリング手術 TVT法・TOT法)は婦人科または泌尿器科の専門医が行います。骨盤臓器脱の手術は主に婦人科で行われます。どちらに相談しても適切な科へ紹介してもらえます。

Q. 産後いつ頃から尿漏れが治りますか?

A. 産後の尿漏れは数週間〜数ヶ月で改善することも多いですが、骨盤底筋の損傷が大きい場合や、回復のための筋肉訓練を行わないと長引くことがあります。産後3ヶ月以上尿漏れが続く場合は婦人科または泌尿器科への相談を考えてみてください。

まとめ

女性の尿漏れは、くしゃみ・運動で漏れる「腹圧性」なら婦人科または泌尿器科へ、急な尿意で漏れる「切迫性」なら泌尿器科が向いています。骨盤臓器脱・産後・閉経後の問題は婦人科が専門分野を持ちます。どちらへ行けばよいか分からなければ、まずかかりつけ医や受診しやすい方に相談してみてください。

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監修:長友恭平(精神保健指定医/標榜:精神科・心療内科) このページの内容は診療ガイドラインや標準的な医学教科書をもとにまとめた一般情報です。個人の診断・治療方針については必ず医療機関でご相談ください。

参考にした主な情報源

この記事は、各学会の診療ガイドライン・厚生労働省の公開情報・Minds ガイドラインライブラリ・標準的な医学教科書をもとに、医師監修のうえ作成しています。