頻尿・排尿の悩みで内科か泌尿器科か——症状別の受診先ガイド
監修:長友恭平(精神保健指定医/標榜:精神科・心療内科)なぜ精神科・心療内科の医師が全科を監修しているの?
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トイレが近い、夜中に何度も起きる、我慢できない、尿が漏れてしまう——こうした排尿の悩みは「恥ずかしくて言い出しにくい」と感じる方も多いですが、多くは治療で改善できます。内科でも初期評価を受けられますが、専門的な診断・治療は泌尿器科が担当します。症状別の受診先のめやすを整理します。
結論:まずどっち?
| こんなとき | おすすめの初診科 |
|---|---|
| 排尿時の痛み・残尿感・頻尿(発熱なし) | 内科または泌尿器科(単純性膀胱炎を疑う場合) |
| 発熱+背中・脇腹の痛み+頻尿・排尿痛 | 内科(腎盂腎炎の可能性・早急に) |
| 夜間頻尿・トイレが急に我慢できない | 泌尿器科(過活動膀胱の可能性) |
| 男性で尿の勢いが弱い・残尿感 | 泌尿器科(前立腺肥大の可能性) |
| 尿漏れ(咳・くしゃみで漏れる・我慢できず漏れる) | 泌尿器科または婦人科 |
| のどが渇く・多飲多尿がある | 内科(糖尿病・尿崩症の可能性) |
内科でできること
内科は排尿症状の初期評価と、全身疾患に伴う排尿異常の診断が得意です。
内科が診断・治療できる主な排尿症状
- 急性単純性膀胱炎(女性):排尿痛・頻尿・残尿感が主体で発熱のない場合。かかりつけ内科で尿検査・抗菌薬処方が受けられる。
- 腎盂腎炎:発熱(38℃以上)+背中・脇腹の叩打痛+排尿症状。敗血症に発展する可能性があり、早急な内科受診が必要。
- 糖尿病による多尿・頻尿:のどの渇き・大量の水分摂取・尿量増加が主体の場合、内科(糖尿病診療)が担当。
- 心不全・服薬(利尿薬)による夜間頻尿:むくみや動悸を伴う夜間頻尿は内科(循環器内科)での評価が有効。
- 過活動膀胱の初期評価:まず内科で尿検査・残尿測定を行い、問題がなければ泌尿器科へ紹介する流れも一般的。
泌尿器科でできること
泌尿器科は腎臓・尿管・膀胱・尿道・前立腺を専門に扱い、排尿機能の詳細な評価と治療が得意です。
泌尿器科が担当する主な疾患・症状
- 過活動膀胱(OAB):「急に尿意が来て我慢できない」「漏れてしまう」「夜中に何度も起きる」。日本人40歳以上の約12%に該当する頻度の高い疾患。内服薬(抗コリン薬・β3作動薬)や膀胱訓練が有効。
- 前立腺肥大症:男性で「尿の勢いが弱い」「二段排尿」「残尿感」「夜間頻尿」が主体の場合。排尿日誌・残尿測定・PSA検査(前立腺がん除外)が必要。
- 腹圧性尿失禁(女性):咳・くしゃみ・運動時に漏れる。骨盤底筋訓練・手術が有効。
- 尿路結石:急性の激しい脇腹痛・血尿・頻尿。超音波・CT検査で確認。
- 膀胱炎の反復・慢性化:繰り返す膀胱炎・難治性の場合は泌尿器科での精査が必要。
- 血尿:肉眼的血尿(赤い尿)や検尿での血尿は膀胱がん・腎がんの除外検査が必要。
- 前立腺がん:PSA高値・症状がある場合の精査と治療。
症状で考える受診先のめやす
| 症状 | 考えられる原因 | 受診先 |
|---|---|---|
| 排尿痛・残尿感・頻尿(発熱なし・女性) | 単純性膀胱炎 | 内科または泌尿器科 |
| 発熱+腰背部痛+排尿症状 | 腎盂腎炎 | 内科(急ぎ受診) |
| 急に我慢できない・夜間2回以上 | 過活動膀胱 | 泌尿器科 |
| 尿の勢いが弱い・二股・残尿感(男性) | 前立腺肥大症 | 泌尿器科 |
| 咳・運動で漏れる | 腹圧性尿失禁 | 泌尿器科または婦人科 |
| 赤い尿(血尿) | 尿路結石・膀胱がん等 | 泌尿器科(緊急性あり) |
| のどが渇く・尿量が多い | 糖尿病・尿崩症 | 内科 |
| 尿が全く出なくなった | 尿閉(緊急) | 救急または泌尿器科緊急受診 |
こんなときはすぐに医療機関を
次の症状がある場合は当日中に受診を検討してください。
- 高熱(38.5℃以上)+脇腹・背中の叩打痛 → 腎盂腎炎の可能性
- 赤い尿が出た(肉眼的血尿) → 腎がん・膀胱がん・尿路結石の除外が必要
- 尿が全く出なくなった(尿閉) → 前立腺肥大症の急性増悪などで緊急対応が必要
尿が出なくなった場合や高熱を伴う腰背部痛は119番または救急外来を検討してください。
よくある質問
Q. 女性の頻尿・残尿感は婦人科に行けばいいですか?
A. 排尿症状のみで発熱がない場合、婦人科よりも内科または泌尿器科が適しています。婦人科は子宮・卵巣の疾患や妊娠に関連した排尿症状(子宮筋腫による膀胱圧迫等)を担当します。尿失禁がある場合は、婦人科(骨盤底疾患を専門とする施設)と泌尿器科のどちらでも対応できる場合があります。
Q. 夜中に3〜4回トイレで起きます。年のせいでしょうか?
A. 夜間に2回以上トイレで起きる場合は「夜間頻尿」として医療的に評価する価値があります。原因は過活動膀胱・前立腺肥大・睡眠障害・心不全・多尿など多岐にわたります。「年のせい」と放置せず、泌尿器科または内科に相談することを検討してください。
Q. 尿漏れが気になります。恥ずかしくて受診できません。どこに行けばよいですか?
A. 尿失禁は女性の約30〜40%(中高年)が経験する非常に一般的な症状で、適切な治療で改善が期待できます。泌尿器科での受診が基本で、骨盤底筋訓練・薬物療法・手術など症状に合わせた治療があります。女性の場合は婦人科(骨盤底疾患専門)でも対応できる施設があります。
Q. かかりつけ内科で「泌尿器科に紹介します」と言われました。どんな検査をされますか?
A. 泌尿器科では、尿検査・排尿日誌・残尿測定(超音波)・尿流量測定などが行われることが多いです。前立腺が心配な場合はPSA血液検査も追加されます。これらの検査は痛みを伴わないものがほとんどです。
まとめ
- 排尿痛・残尿感・頻尿(発熱なし)は内科でも初期対応可能
- 発熱を伴う排尿症状(腎盂腎炎疑い)は内科に早急に受診
- 過活動膀胱・前立腺肥大・尿失禁・反復する膀胱炎は泌尿器科
- 血尿・尿が出なくなる場合は緊急性が高い
- 排尿の悩みは年のせいにせず、専門科に相談することで改善できることが多い
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監修:長友恭平(精神保健指定医/標榜:精神科・心療内科) このページの内容は診療ガイドラインや標準的な医学教科書をもとにまとめた一般情報です。
参考にした主な情報源
この記事は、各学会の診療ガイドライン・厚生労働省の公開情報・Minds ガイドラインライブラリ・標準的な医学教科書をもとに、医師監修のうえ作成しています。