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胸やけ・逆流性食道炎は内科と消化器内科どちらへ?

監修:長友恭平(精神保健指定医/標榜:精神科・心療内科)
なぜ精神科・心療内科の医師が全科を監修しているの?

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「胸やけがひどい」「食後に酸が上がってくる」「喉に何か引っかかった感じがする」——逆流性食道炎(GERD)の症状は一般内科と消化器内科のどちらで診てもらえるかがわかりにくい疾患の一つです。多くの場合はどちらでも診られますが、胃カメラが必要かどうかがポイントになります。

結論:まずどっち?

こんなときおすすめの初診科
典型的な胸やけ・呑酸(初めて)内科でOK
症状が長く続き詳しく調べたい消化器内科(胃カメラ可能な施設)
胃カメラ(内視鏡)を受けたい消化器内科
薬を飲んでも改善しない消化器内科
嚥下困難・体重減少・吐血がある消化器内科(早めに)
のどの違和感・慢性咳が続く耳鼻科または消化器内科

内科で対応できるケース

典型的なGERD症状の初期治療

胸やけ(食後や横になると悪化)・呑酸(酸が口まで上がってくる感覚)・胸の不快感が典型症状であれば、一般内科でも相談・治療を開始できます。

PPI(プロトンポンプ阻害薬)やP-CAB(カリウムイオン競合型酸ブロッカー:ボノプラザンなど)という酸分泌を抑える薬は内科でも処方可能で、多くの患者で症状の改善が期待できます。

「PPIテスト」といって、試験的にPPIを2週間服用して症状が改善するかどうかを確認する方法が診断に活用されることもあります。

生活習慣のアドバイス

過食を避ける・食後すぐに横にならない・就寝2〜3時間前から食事を控える・肥満の改善・禁煙・アルコール制限——こうした生活習慣の見直しは内科でも指導を受けられます。

消化器内科が必要なケース

胃カメラ(上部消化管内視鏡)による確定診断

GERDを確定診断するためには上部消化管内視鏡(胃カメラ)が必要です。消化器内科では胃カメラが行える施設が多く、食道・胃の状態を直接確認できます。

次のような場合は胃カメラが推奨されます:

バレット食道・食道癌のスクリーニング

逆流性食道炎を長年放置すると、食道粘膜が変性する「バレット食道」になる可能性があります。バレット食道は食道癌のリスクを高めるため、定期的な内視鏡フォローが必要です。こうした長期管理は消化器内科が担います。

ヘリコバクター・ピロリ菌(H.pylori)との関係

H.pyloriは胃炎・胃潰瘍・胃癌の原因菌であり、GERDとの関連も研究されています。除菌治療が行われる場合は内視鏡検査での診断と、消化器内科医の管理が必要です。

難治性GERD

PPIやP-CABを十分に使用しても症状が改善しない場合は「難治性GERD」として消化器内科での詳細な検査(24時間食道内pHインピーダンスモニタリングなど)が必要です。

GERDに似た他の疾患との鑑別

胸やけに似た症状は、心臓疾患(心筋梗塞・狭心症)・食道アカラシア・食道癌・胃癌などでも起きることがあります。症状が典型的でない・重症・警告症状がある場合は消化器内科での精密検査が必要です。

症状で考える受診先のめやす

症状考えられる問題受診先
食後の胸やけ・呑酸(初発)GERD(典型的)内科でOK
薬を飲んでも改善しない難治性GERD・他疾患消化器内科
飲み込みにくい食道炎・食道癌消化器内科(早めに)
体重が減った悪性疾患の可能性消化器内科(早めに)
吐血・黒色便上部消化管出血消化器内科(急いで)
喉の違和感・慢性咳咽喉頭逆流症耳鼻科または消化器内科
胸の痛みが安静時にも続く心臓疾患を除外したい内科(循環器)を先に

こんなときはすぐに医療機関を

よくある質問

Q. 逆流性食道炎は一生薬を飲み続けないといけないですか?

A. 症状が繰り返しやすい疾患ですが、生活習慣の改善(食後横にならない・過食を避ける・体重管理など)で薬を減らしたり中止できる場合もあります。一方で、バレット食道など重症な背景がある場合は維持療法が勧められることがあります。担当医と相談しながら判断してください。

Q. 胸やけが続いているので胃カメラを受けたいのですが、最初から消化器内科に行くべきですか?

A. 胃カメラを希望する場合は、実施できる消化器内科を最初から受診するのが効率的です。内科でも消化器内科へ紹介してもらえますが、最初から消化器内科に行けば待ち時間なく相談できます。

Q. GERDの薬(PPI)は長期服用しても大丈夫ですか?

A. PPI・P-CABは長期服用に関してこれまでの研究では重篤な副作用は少ないとされていますが、長期服用の場合は定期的な医師のフォローが推奨されています。必要最小限の用量で症状をコントロールすることが基本です。

Q. 逆流性食道炎と慢性咳は関係がありますか?

A. はい。GERDが原因で慢性咳(咳嗽)が起きることがあります(GERD関連咳)。後鼻漏・喘息と並んで慢性咳の主要原因の一つです。咳の治療に先立って胃酸の逆流を調べることが有用な場合があります。最初に耳鼻科や内科・呼吸器科を受診することも多いですが、症状によっては消化器内科の評価も必要です。

まとめ

典型的な胸やけ・呑酸が初めて起きたときは一般内科でも相談・治療開始ができます。症状が長く続く・薬を飲んでも改善しない・詳しい検査(胃カメラ)を受けたい・警告症状(体重減少・嚥下困難・吐血)がある場合は消化器内科が適切です。どちらの科でも最初の入り口として機能しますが、「胃カメラが必要かどうか」が内科と消化器内科を選ぶ実際のポイントになります。

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監修:長友恭平(精神保健指定医/標榜:精神科・心療内科) このページの内容は診療ガイドラインや標準的な医学教科書をもとにまとめた一般情報です。個人の診断・治療方針については必ず医療機関でご相談ください。

参考にした主な情報源

この記事は、各学会の診療ガイドライン・厚生労働省の公開情報・Minds ガイドラインライブラリ・標準的な医学教科書をもとに、医師監修のうえ作成しています。