内科か消化器内科か——胃痛・下痢・胸やけで迷ったときの選び方
監修:長友恭平(精神保健指定医/標榜:精神科・心療内科)⚠️ このサイトは診断を行うものではありません。受診先を考えるための参考情報です。
胃のもたれ・胸やけ・腹痛・下痢・便秘——よくある胃腸症状で、内科と消化器内科のどちらを選ぶか迷う方は多いです。両者の違いを整理します。
結論:まずどっち?
| こんなとき | おすすめの初診科 |
|---|---|
| 急な発熱とともに、下痢や嘔吐が出ている | 内科 |
| 食べた後に胃がもたれる/たまに胸やけがある | 内科 |
| 胃の不快感や腹痛が数週間続いていて、薬を飲んでもよくならない | 消化器内科(胃カメラ・大腸カメラを相談) |
| 便に赤い血が混じった/便が真っ黒(コールタールのような色) | 消化器内科または外科 |
| 50歳以上で、今までにない胃やお腹の症状が出てきた/半年で体重が数kg落ちた | 消化器内科 |
| 健康診断で「肝機能の数値が高い」「脂肪肝」と言われた | 消化器内科 |
| お腹がとても痛くて、押すと痛い・力を入れにくい/じっとしていても痛い | 救急(119または救急外来) |
内科でできること
内科では一般的な胃腸症状の初期評価と対症的な治療ができます。
- 急性胃腸炎・感冒性胃腸炎の対応
- 胃酸を抑える薬や整腸薬による初期の対症治療
- 過敏性腸症候群の初期治療
- 慢性便秘症の治療
- ピロリ菌の血液検査(陽性なら除菌や精査のための紹介)
近くて通いやすい内科で、生活指導や対症的な薬物療法から始めるのが現実的な第一歩です。
なお、機能性ディスペプシアという診断をきちんとつけるためには、胃カメラで「胃がん・潰瘍などの病気が隠れていないこと」を確認する必要があるとされています。この診断のもとで使われる薬(アコファイドなど)も、胃カメラで器質的疾患がないことを確認したうえでの使用が前提です。そのため、胃もたれや胃の不快感が長く続く場合は、内科で初期対応を受けたあと、消化器内科で胃カメラを受ける流れになることが多いです。
消化器内科でできること
消化器内科は食道・胃・腸・肝臓・胆嚢・膵臓を専門に扱います。
- 上部消化管内視鏡(胃カメラ)
- 下部消化管内視鏡(大腸カメラ)
- 腹部超音波・腹部CT
- 肝炎・脂肪肝の精密評価
- 胆石症・膵炎の評価
- 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)の専門治療
- 消化器がんの精密検査
「消化器内科」と「消化器外科」は別の科です。手術が必要な疾患は消化器外科の領域になります。
症状別の使い分けの目安
急性の腹痛・下痢・嘔吐
ほとんどが急性胃腸炎で、まず内科で対応できます。脱水が強いとき・血便があるとき・激しい腹痛で持続するときは追加検査が必要なので、消化器内科や救急の選択も視野に入れます。
慢性的な胃もたれ・胸やけ
内科で胃薬を試して改善するなら継続可能。改善しない・症状が複雑・体重減少などをともなうときは、胃カメラを含めた精査ができる消化器内科を考えます。
排便習慣の変化(下痢/便秘)
急に始まった変化・血便・体重減少・夜間症状をともなうときは大腸の精査が必要なので、消化器内科が適しています。
健康診断で肝機能異常
脂肪肝・ウイルス性肝炎・薬剤性などの鑑別が必要なため、消化器内科でのフォローが推奨されます。
50歳以上で初めて出た腹部症状
がんの除外を意識して、内視鏡を含めた精査ができる消化器内科を選ぶのが安全です。
内科 → 消化器内科の流れ
「胃カメラなしで治療が完結する症状」は内科で十分です。一方で症状が長引く・改善しない・体重減少などのアラームサインがある場合は、内科から消化器内科への紹介になります。最初から消化器内科を選んでも問題ありません(近くにあれば)。
受診時のチェックポイント
- 症状の始まり・経過
- 食事・排便との関係
- 同時に出ている症状(嘔吐・血便・発熱)
- 体重の変化
- 既往(ピロリ菌感染・肝炎・胆石)
- 服用中の薬(鎮痛薬・ステロイド・抗凝固薬は要注意)
監修:長友恭平(精神保健指定医/標榜:精神科・心療内科)